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再整備基本計画が策定されたJR神戸駅前広場の再整備プロジェクト。この設計業務を担う事業者を公募型プロポーザルで選定すべく、事業者からの提案の審査が行われました。
4事業者グループからの提案があり、選定委員会による評価の結果、委託候補事業者が選定されました。
最優秀点を獲得したのは株式会社E-DESIGNを代表企業、株式会社畑友洋建築設計事務所、株式会社モビリティデザイン工房、中央コンサルタンツ株式会社を構成企業とする企業グループの提案です。
提案内容は以下です。
- 大倉山、湊川神社など緑豊かな周辺地区とつながるグリーンベルトの起点として、広場内の舗装や格子状の森のビスタ(並木的な視覚効果)により高質で風格ある空間とするとともに、回遊拠点となる広場の実現に向けた居心地良い空間を創出
- 広場に帆をかけたような港町神戸らしい大屋根(セイリングルーフ)により、夏季の日射を効果的に遮蔽し冬季は北風を跳ね上げることで、四季を通じて居心地良い空間を創出
- 地域住民や周辺施設との連携による、日常的なマネジメントやイベント利用などの長期的な視点で、良質で持続可能な広場運営と価値向上を目指した広場を計画
広島
姫路
東京
全国の主要駅の駅前広場にも膜素材屋根の採用はトレンド化しています。
ただ今回、公開されている提案内容は限定されており、詳細は不明瞭です。もっと選定事業者の提案資料をそのまま公開して欲しいものです。公募型プロポーザルの選定者発表の公開方法がバラバラで統一されていません。
因み株式会社E-DESIGNを代表企業とし、株式会社モビリティデザイン工房、株式会社畑友洋建築設計事務所が加わった今回の選定企業グループですが、これまでにもJR灘駅前広場(南北)概略設計業務、西神中央プレンティ広場等のリニューアル基本・詳細設計業務、そしてつい最近も新神戸駅前広場・生田川公園再整備デザイン計画検討業務に選定されたばかりと、神戸市内の駅前広場リニューアルプロジェクトを総なめする勢いです。
今後のスケジュールですが、早速、今月から設計業務を開始。広場全体のリニューアル完成は8年後の2030年を予定しますが、部分的に着手し、完成エリアは順次供用を開始するというスキームとなっています。駅前広場の整備としては長期に渡る計画となりますが、メインのエリアは数年以内に供用開始を目指すべきかと思います。
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神戸駅前広場再整備にしても新神戸駅前にしても再整備計画案はどれもこれもランドスケープに重点を置いた化粧直しに留まり、抜本的な改善も民間資本導入の仕掛けも不十分です。しかも神戸駅前に至ってはこの化粧直しだけに延々と8年も掛けるらしい。
神戸市は最近駅前広場の再整備を主として景観形成に絡む事業には大変ご執心ですが、神戸経済ニュースによると連続受注企業であるE-DESIGNの代表はあの神戸市景観条例を主導する神戸市都市景観審議会のメンバーですね。そのせいとは言いませんが神戸市の施策は景観形成に偏り過ぎてうわべの化粧直しばかりです。この先都市の盛衰は民間資本をいかに多く導入できるかに掛かっていると思いますが、今のやり方ではとても成果に結びつかないでしょう。
E-DESIGNの代表が神戸市都市景観審議会のメンバーとは気がつきませんでした。ちょっと複雑な気分ですね。S.Y.Kobeさんのご指摘は的確にポイントを突いていると思います。リノベーション神戸で行われている殆どのプロジェクトは化粧直しに限定されています。今の神戸市は民間の投資を促進する事について他都市に劣っています。