ウォーターフロント

動き出した新港突堤開発

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ホテル開発のラスイートが新港第一突堤の再開発に本格的に着手しました。これを狼煙として残る三つの突堤も開発に向けて何らかの動きを見せ始めました。いよいよ神戸市の計画する巨大ウォーターフロント地区の再開発が前進を開始しました。

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一連の突堤群で先行するのは第一突堤。一時はホテルとシネコンの巨大複合施設が計画されるものの、リーマンショックによって白紙撤回を余儀なくされ、塩漬けにされてきました。

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ラスイート神戸新港第一突堤計画と名付けられた新ホテルプロジェクト。設計は日建設計が担当し、大成建設が施工を担います。工事期間は来年10月末まで。約1年半弱で、この場所に神戸港を臨む延べ1万6485㎡のホテル・健康増進施設・コンベンションホールなどの新たな複合施設が誕生することになります。

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続いて第二突堤。突堤先端部に存在していた上屋2棟が解体されて完全に姿を消してしまいました。

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まだ突堤の根元には複数の上屋が残存しています。こちらの撤去解体完了後、市は第一突堤同様に事業コンペで集客商業施設を誘致する方針です。

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第一突堤はホテル・コンベンション施設となりました。第二突堤の再開発にはどんな施設を整備するのが望ましいのか。協議を重ねる必要があります。近接していますが、お互いが海を隔てて距離を置いている現状、各突堤の連携を取りずらい環境です。

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第二突堤の更に東側にあるのが第三突堤。現在はジャンボフェリーのフェリーターミナルとして主に利用されています。

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市は現フェリーターミナルの東側に新ターミナルの建設を進めています。現在よりも規模を拡大し、旅客ターミナルビル、乗降デッキ、屋外トイレ、ロータリー、一部舗装、緑地他を整備します。発表時のスケジュールでは今年3月に整備完了の予定でした。かなり計画は遅延しているようです。

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新ターミナルビル完成後、現ターミナル施設は解体されます。ただターミナル施設のみで第三突堤を埋めるには不十分です。今後の状況に応じて、持て余している敷地も有効活用される必要があるでしょう。

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第四突堤のポートターミナルは既存施設を耐震化し、リニューアルする方針が決定しています。

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これらの突堤群の膝元には巨大な倉庫群が軒を連ねています。都心と突堤を隔てているこの倉庫街をどうにかしない限り、分離されてしまっている突堤群の活性化は進みません。しかしそのエリアは巨大な空間を形成しており、そう短期間で容易く攻略していけるわけでもありません。中長期的にグランドデザインを以て、どう地域の再開発を進めていくのか方針を固める必要があります。

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その間、すでに計画が進行している第一突堤の孤立化を是正するためには、メリケンパークとの連結が必要ではないかと思われます。京町筋-突堤間の南北の動線は存在はするものの、実際は機能していない状況です。ホテルが開業しても利用者以外が気軽に足を延ばすには心理的な距離が大き過ぎます。

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そこでメリケンパークと突堤間にこのような歩行者専用の吊り橋を掛けてみてはどうでしょうか。写真はフランクフルトのマイン川に掛かる吊り橋です。東西方向の動線確保が突堤群を既存のウォーターフロント地区との連携を生み出してくれることでしょう。中長期的には倉庫エリアの再開発とLRTの導入整備で都心エリアとも直結させることも必至です。



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POSTED COMMENT

  1. tam より:

    おひさしぶりです.
    先日GWに,ちょうどハーバーランド~メリケンパーク~税関前~ポートターミナルと歩きました.メリケンパークから第一突堤は合同庁舎の裏の海側の歩道?を歩きましたが,そこそこの通行者がいました.
    というわけで,ある程度需要はあると思います.ただ,メリケンパークから先は歩いていてあまりにも楽しくない空間ですね.京橋PAとの連携などでなんらかの賑わいがあればなと思いました.

  2. sirokuma より:

    こんにちは。

    ご存知かもしれませんが、神戸市は、下記資料を昨年公開しています。

    「港都 神戸」グランドデザイン原案~都心・ウォーターフロントの将来構想~
    http://www.city.kobe.lg.jp/information/project/innovation/toshin/img/110214.pdf#search='%E7%A5%9E%E6%88%B8%E5%B8%82+%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%88%E9%96%8B%E7%99%BA

    この中に第1~第4突堤とその周辺の将来図もきっちりと描かれています。
    神戸市が考える都心部は、umie~HAT神戸と少し広範囲です。少し分散し過ぎの感はありますが、これらを結ぶ交通インフラとしてLRT・BRTが考えられおり自由な発想で練り上げられています。
    ただ、阪急相互乗り入れのコメでも意見が出ていましたが、都心部への投資は分散させるのではなくよりコンパクトに絞り込んだエリアへの集中的な投資による面的整備が必要だと思います。点を線で結ぶような開発を行うようでは、倉庫群の中に埋没し孤立し失敗するだけだと思うからです。
    これらの突堤群は神戸市のこの先数十年の顏ともなる大事な事業であることを考慮して開発願いたいと思います。

  3. waraushi より:

    第三突堤ですが、今年10月に宮崎カーフェリーが大阪南港から移転してきます。
    http://www.miyazakicarferry.com/
    1万トンクラスのフェリーですから結構迫力があります。
    昼間は停泊しているだけですが、神戸港に賑わいをもたらせてくれそうです。
    (土日の停泊中に、船内ツアーを企画したら面白そうですが。。。)
    そのため、第三突堤にフェリー施設を2バース整備することになりますので、敷地はほとんど残らないと思われます。

    フェリーを利用する側とすると、乗船前の買い物にコンビニが欲しいですね。
    ターミナル内にテナントとして入居してくれたらいいのですが、フェリー需要だけでは採算が厳しいでしょうし。。
    第一突堤の施設が完成すれば、その需要は更に増えると思いますので、
    財閥系倉庫のどれかの1フロアを改造・間借りして、整備して欲しいです。
    (イメージは、門司港駅広場の目前にあるファミリーマートを大きくしたような形)

    メリケンパーク~第一突堤の歩行者動線ですが、
    門司港にある跳ね橋のようなものがあれば面白そうですね。既存の防波堤を改良して使えますし。

  4. kingi より:

    あの突堤群は距離的にも心理的にも
    三宮からも元町、ハーバーからも遠いんですよねえ
    市長が提案しているLRTで結ぶというのは
    良いアイデアだと思うんですけど

  5. sirokuma より:

    前述のグランドデザインには、メリケンパークから第一突堤を既存の堤防を変更し歩行デッキにして跳ね橋で繋いでいますよ。その内側はヨット・クルーザーのビジターバースが描かれています。この資料予想パースも多く面白いですよ。
    このグランドパースでも三突はそのままフェリーターミナルです。KIITO(デザイン・クリエイティブセンター神戸)も開設されたし。
    グランドデザインに沿った開発が着々と進んで現実化し始めていると言う事なんでしょう。でももう少し我々市民への広報にも力を注いで欲しいですね。

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