空撮

初空撮!空から神戸を見てみよう -10/2はヘリコプターの日(でした)-

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去る10/2は神戸市が主催した「空の日」イベントとして神戸空港をはじめ、ポーアイ・神戸空港エリアで多彩なイベントが開かれました。ポーアイの神戸へリポートでは「ヘリコプターの日」イベントが開催され、兵庫県警や市消防局で活躍するヘリコプターの展示や有料遊覧飛行&ビンゴゲームで勝利した30名が無料飛行が楽しめるという企画でした。

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遊覧飛行を担当するのは(株)小川航空所有のロビンソンヘリコプター社製「R44」。操縦士を含めて4人乗りで、時速240Kmで飛行できるそうです。有料飛行は大人3500円。飛行時間は約5分。以下のコースを飛びます。

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非常時用の救命胴衣を付けて、コックピットに乗り込むと、意外に幅がなく狭いです。膝のすぐ横に操縦桿があるので、当たってしまいそうで怖いです。

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いざ出発!飛行機のような「飛んだ!」という感覚はあまりありません。

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神戸空港管制室からの離陸許可を貰っていざ三宮へ!あっと言う間に神戸ヘリポートが小さくなりました。同ヘリポートは駐機場が8つのかわいい発着場です。

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まずは兵庫突堤や和田岬、兵庫駅前のトリプルタワーや更に後方には高取山や須磨パークヒルズが姿を見せました。

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そして眼下には広大な川崎重工神戸造船所が広がりました。三菱重工の神戸造船所はまもなく造船業に終止符を打ちますので、川重が神戸で唯一の造船施設となります。中央奥には竣工を迎えたばかりの新館が見えます。新館はオフィス棟で地上14階建て、約1500人が勤務する予定だそうです。兵庫工場にも近年、事務所ビルを完成させた川重。設備投資には積極的です。やはり国内最先端の鉄道車両部門を抱えている点は同社の大きな強味なのでしょうね。

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兵庫区、長田区、須磨区の遠望です。神戸空港着陸時にいつも見たかった景色です。夜景は非常に素晴らしいこと間違いなしです。キャナルタウン兵庫、アスタ新長田、鷹取や須磨とタワーマンションが林立しています。密集市街地を貫く阪神高速も非常に印象的です。鉢伏山の向こうには明石海峡大橋の主塔も顔を覗かせています。

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ハーバーランドが見えてきました。空から見下ろすとビル街が一つの塊を成していることがよく分かります。また改めて開発区域のスケールの大きさを実感します。一気にこのサイズのインナーシティ型の複合都市を開発することができたバブルの威力には驚愕です。

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こうやって眺めるとダイヤニッセイビル(中央黄色の建物)の巨大さや威容が実感できますね。オーガスタプラザやハーバーランドセンタービルが次々と所有者交代で転売されてきた経緯と比べると、このビルは三菱倉庫がどっしりと構えて運営を行っています。もちろんテナントは他施設同様に様変わりしてきました。そして最大の中核である阪急百貨店が来年で撤退します。地区内では最も集客力のあるモザイクを含めて阪急はイオンへ運営権を譲渡する予定です。開業から20年目を迎え、まだ未利用地も残る同地区の再生はこれから正念場を迎えそうです。

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ハーバーと言うと、どうしても商業地区としてのイメージが強いですが、実は複合開発都市ですので色んな顔を持っています。最たる面は業務地区としての役割です。川崎重工や神戸新聞が本社を構える他、多くの企業が進出し、市外郭団体の拠点ビルも多く集積しているオフィス街です。また文教地区として学校や児童教育施設をも構え、近年では住宅地区としての機能も拡充しています。

空から見ても地上32階 高さ135mのクリスタルタワーを筆頭にバランス良く高層ビルが林立する美しいビル街だと思います。

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眼下に神戸ハーバータワーの建設現場が目に飛び込んできました。隣接するエレガーノ神戸海岸通よりも遥かに高くなる予定です。建物中央には中層階にまで達し、免震構造の一部をも成すタワーパーキングが設置されているのも確認できます。

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ハーバーから東へと移ります。眼下にメリケンパークや中突堤が広がります。神戸ウォーターフロントの象徴的な建物群が連なります。突堤の先端にホテルと旅客ターミナルを建設しようというアイディアには正直脱帽です。

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メリケンパークも上空から眺めると、とても整然としています。この日は公園内でイベントが開催中でした。ホテルオークラは地上35階 高さ135mの超高層ホテルで1989年に開業しました。バブル期に神戸には超高層ホテルが幾つも建設されましたが、このオークラは大津のプリンスホテルと並び、日本国内ではウォーターフロントにおける超高層ホテルの先駆けとなりました。

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グルリと南側に回りました。こうして上空から眺めるとメリケンパークと諏訪山麓の距離はとても短いですね。この近距離間で高低差はかなりあります。

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元町エリアにズームしてみました。左下の建設工事は(仮称)神戸プロジェクトで複合商業施設「ノートルダム神戸」が建設されています。阪神高速3号神戸線と浜手バイパスの高架道路に挟まれたエリアは巨大駐車場と老朽化した上屋等が占めています。将来的には阪高の地下化もしくは浜手バイパスとの統合化等に併せて、有効に活用されて欲しいものですね。

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栄町通上空です。近年、神戸都心部で最も変化に著しいエリアの一つでもあります。中央に聳え立つライオンズタワー神戸元町(地上33階 高さ120.98m)を中心に、沿道沿いは多くの建物がマンションへと姿を変えています。ライオンズシリーズを手掛ける大京は同タワーを含めこの地区に3棟を建設・分譲しました。他、地元密着型の和田興産本社のお膝元だけにワコーレシリーズも集中しています。また大手不動産会社の大型マンションや単身者向けデザイナーズマンションも続々と建設されています。栄町通の南側を平行する乙仲通は近年、古い建物を改装したカフェ、雑貨屋、アパレル、レストランが急増しており、来街者で賑わっています。元町商店街はアーケードがあるので分かりませんでしたが、低層の建物が中心を占めていますね。

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それでは次は神戸の心臓部である三宮地区に移動です。南側の旧居留地を中心とした地区は明らかに建物の容積が異なります。反面、JR高架の北側は狭小ビルが密集しています。

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旧居留地地区の拡大です。中央左の道路は京町筋です。高層ビルが林立し、街並みも整然としています。中央辺りに200m級の高層ビルが建つと、更に引き締まって見映えの良い景観になるかと思います。可能性があるとすればセンタープラザの建替えでしょうか。右奥には190mの高さになる予定のシティタワー神戸三宮の存在が確認できます。背景には新神戸のトリプルタワーも佇んでいます。

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海外では都心部をCBD(Central Business Districtの略)と呼びますが、居留地エリアはまさに神戸のCBDの名に相応しい洗練されたビル街ですね。上空から眺めると余計に引き立ちます。神戸は地理的にも人工的にも立体都市なのがよく分かります。完成度の高い街なので、他エリア程の急激な変化はありませんが、今後、どう変わっていくのかも楽しみです。

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三宮のビル群の向こうに広がる神戸東部地区及び阪神地区。海沿いには東部新都心HAT神戸。六甲山の中腹にまで広がる市街地。その中をぬって走る高架道路や鉄道等の大動脈。それらを優しく包み込む母なる山々。自然と都市が融合した世界でも希少な景観です。

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海上から神戸都心部を眺めます。この高度からは六甲連山の雄大さがより強調されます。前方には未利用のまま空白空間となっている新港第一突堤。その付け根の倉庫群も一部は解体作業が進められています。この一帯は今後、神戸のウォーターフロント開発の基軸と位置付けられています。長期的には神戸変貌の要の大きな一つとなるでしょう。

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角度と高度を変えて同方向をもう1枚。三宮と新神戸の高度差が歴然ですね。二つのビル群が重なりあって綺麗なスカイラインを作りだしています。そして再び、背後には雄大な六甲の山々。日本で唯一の景観です。阪神高速湾岸線のポーアイ-和田岬間の連絡橋建設の折には、海上にサービスエリアと展望タワーを作って、この雄大な眺めをいつでも楽しめるようにしたらどうでしょうか。

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神戸大橋上空です。こうやって改めて見てみると、実際に海を跨いだ橋である部分は意外に短く、ポートターミナルとして利用されている埠頭が大部分を占めているます。このちょっと奥の海底には神戸港トンネルが通っています。

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さてポーアイに帰還です。第一期地区の中心部。旧中央市民病院を初め、高層住宅群や企業の集積するファッションタウン、国際会議施設やホテル群。二期地区の医療産業都市に話題のお株をさらわれてはいますが、街開きから30年が経過していてもその近未来都市感は健在です。日本初のコンベンション都市として、多くの国内外の会議を誘致してきました。近年の会議開催数は国内8位と後退してしまいましたが、施設の更新も含めて返り咲きを狙います。医療産業都市の集積化に伴い、医療関連の会議等も急増しています。またワールド、アシックスをはじめとした日本をリードする国際企業の本社群もエリアに健在しています。老朽化した高層アパート群は将来的には再開発が必要とされるかもしれません。尚、旧中央市民病院の建物の土地の活用法はひとまず継続して民間運営による医療施設として機能を継承しています。

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ポーアイ西側のコンテナバース跡地の再開発は文教地区と物流地区に分けられて完了しました。文教地区には神戸学院大、兵庫医療大、神戸夙川学院大の3校が開校。広大な敷地に海外の大学のようなキャンパスが同時開学しました。西区の学園都市以上の学園都市となった同エリア。南側は上組、ニトリや自動車オークションのUSSが進出。物流拠点となりました。神戸港は中古車・建機の一大輸出拠点として、数多くのオークション会場が誘致され、港湾活性事業の一翼として期待され、大阪港との綱引き状態となりましたが、リーマンショック以降は急速に下火となってしまいました。

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神戸港は大阪港と共に国の国際コンテナ戦略港湾に指定されました。東側の拠点港湾エリアには水深15m以深の大水深岸壁を含むバースの整備が行われています。また内航フィーダーの新会社設立によって釜山に流れるコンテナの集約、システムのIT化、入港料やターミナルリース料金の低減、施設使用料の値下げ、24時間化等の対策・改善によって国際競争力の向上を目指しています。写真中央上で建設工事が行われていますが、これは市有地9ヘクタールを港湾最大手で神戸に本社を置く上組が購入し、数百億円を投じた物流拠点の整備を進めている一環です。

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最後はポーアイ二期地区の目玉である医療産業都市です。すでに関連企業の進出は200社を越えました。市の目標は500社。まだまだ道のりは長いです。まだ未利用地にも余裕があります。500社にまで増えれば、国際的にも認知度の高い医療産業拠点となることでしょう。そうなれば医療産業は神戸経済発展の大きな原動力の一つとなり、神戸を取り巻く環境も一変するかもしれません。より産業の効率化が促進されるので、インフラ整備も更に拍車が掛かり、阪神高速湾岸線の延伸、神戸空港の重要度上昇による増便や国際便の就航、空港へのアクセス強化、関連企業進出増による都心部の再開発活発化等が考えられます。文字通り神戸の将来を左右する最重要事業です。

一周5分のフライトはあっという間です。写真を撮るのに必死になっていると、正直、あまり空を飛んでいる感覚や景色を楽しんでいる余裕がありません。ほとんど全てファインダー越しに見ているので、現実感が乏しくなってしまいます。空撮ができる喜びは最高ですが、次回、ヘリの遊覧が機会を得られるのならば、ゆっくり上空からの景色を堪能したいですね。それにはカメラを持ち込まないのが大前提ですが・・・そんな事ができるかどうか。

でも初めてこういった機会を得ることができて最高に幸せな時間を過ごすことができました。ヘリコプターの日万歳!また来年の開催を期待します!

*今回の空撮は有料遊覧飛行1回、ビンゴゲームで当たって1回の計2回のフライトで撮影したものです。



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POSTED COMMENT

  1. 翔@KOBE より:

    国際コンテナ戦略港湾と医療産業都市構想には神戸の未来が決まると思って、僕も期待しています。企業誘致も少しずつ増えてきているし、それに伴い国際会議が増えてきているという話も聞きます。
    世間で地方分権が騒がれ、副首都、国出先機関移管、来月には大阪で市府長選挙もあり、その結果によって今後の京阪神各大都市あり方も決まってくると思います。その中で神戸も取り残されないようにしっかり地位を確保してほしいなと思います。

  2. ジョージ より:

    ホテルオークラの北側にあるパーキングの西横で工事してるように見えますがなんでしょうね?

  3. しん@こべるん より:

    翔@KOBEさん

    そうですね。未来の布石はきちんと打っている辺りは神戸もまだまだ捨てたもんじゃないですね。今が良くても一寸先の未来は分からない時代です。大阪の行方にも左右されない礎をしっかりと築く必要があります。

    ジョージさん

    数ヶ月前から工事をしていますが、建物の建設等ではないようです。下水関連か何かの工事だったような。

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