大阪

うめきた二期地区の事業者に三菱地所他企業グループを選定

umekita2-1.jpg

ヴィーナステラスを眺望点とする都心部建物に対する高さ規制導入に反対される方はこちらをクリック

神戸市に提出する為、皆様からの反対意見を募集しています。署名でなく、皆さんの具体的なコメントだからこそ力があります。あと150名までもう少し!よろしくお願いします!



都市再生機構及び関係各社が一斉に大阪駅北側の再開発エリア「うめきた二期」地区の開発事業者として三菱地所を代表企業としたJV9社の企業連合を選定したと発表しました。三菱地所、阪急電鉄、積水ハウス、オリックス不動産、関電不動産開発、大阪ガス都市開発、竹中工務店等、そうそうたる顔ぶれの企業が名を連ねており、さすがは関西最後の一等地と呼ばれるだけあります。開発条件として、約16ヘクタールの開発エリア面積の内、中央部の4.5ヘクタールは緑地とする事が義務付けられており、南街区と北街区に分けてそれぞれに高さ180m前後の超高層ビル3棟と150mの1棟、合計4棟の超高層棟が林立し、オフィス、ホテル、MICE施設、住宅、商業施設、イノベーション施設等の複合機能が盛り込まれながらも緑豊かで潤い溢れる巨大な都市空間が生まれます。

umekita2-2.jpg

すでに地下空間ではJRの新駅が整備中で同駅には阪急や新線なにわ筋線も乗り入れる計画とされ、新大阪や関空の結節点となる交通ハブとして、エリアの求心力を更に高めつつ、都心の超一等地の利便性を活かしながら梅田という全国屈指の巨大な都心ターミナル開発の1つの総仕上げとしても相応しい大プロジェクトが進みます。2020年に着工、2024年に街開きと共に一部の施設が供用を開始する予定です。

umekita2-3.jpg

先行したグランフロントと合わせたうめきたエリア全体のインパクトは巨大です。都心部に緑の少ないと言われてきた大阪の最重要開発拠点にこれだけ大きな緑地を整備しつつ、建物の超高層化でオフィス、ホテル、住宅の床もしっかり確保します。

これから整備と完成に30年も掛かる三宮クロススクエアは6年後に街開きが行われるうめきたに対して遠く霞んでしまいそうです。神戸市が公募を開始している雲井通5丁目のバスターミナルビルI期の事業協力者ですが、アドバイザー案の募集でも三菱地所を代表とした企業グループが優秀プロポーザルを提出しましたが、うめきたと同時期に開発が進むこの計画への興味を失い、大阪に注力するような事にならないか心配です。

大阪はグランフロントでもそうでしたが、この超一等地の開発においても業務・商業一辺倒にならずに住宅開発も許容しています。業務機能と居住機能の双方を配して人を集めるバランス戦略で、超高層棟の半分はタワーマンションとなります。神戸も三宮駅半径500m以内のタワーマンション禁止という大雑把で面的な規制ではなく、主要業務地区や大通りに面したエリアでの規制に限定するべきです。そして住宅増加による賑わい減少の防止を狙った規制なのであればタワーマンションだけを狙い打ちにするのではなく、通常の分譲マンションや賃貸住宅も対象とするべきです。

これまで神戸市が導入もしく検討している規制はどれも場当たり的でその狙いに何の計画性や戦略性もありません。例えば超高層ビルの林立する横浜のみなとみらい地区にも当初から高さ規制が導入されていますが、これは同地区のスカイラインを計画的に形成していくことが目的です。規制というのは街のグランドデザインがあって、街の成長や発展がそのデザイン通りに実現していくように課すものであって、何の具体性や計画もなく、手当たり次第に出る杭を打つ規制は街の発展にとって単なる阻害にしかなりません。

神戸さしさとは何なのか?海も山も見えるが、衰退した古臭い中途半端な街でしょうか?市内外の若者に選ばれる街、国内外の企業が進出を検討したい街、国内外の観光客が訪れたい街とは自由で活気のある都市です。山の稜線が見えても海上の水平線が見えても街のブランド力は向上しません。ましてやそれらが見えなくなってもブランド力は減退しません。神戸の神戸たる姿とは山と海という大自然の狭間に洗練された先進都市が存在するというそのギャップが人々を魅了してきたからこそ全国の羨望を集めたのではないでしょうか。全国には海も山も近くにありつつ、かつて栄え、そして衰退して寂れた都市ならいくらでもあります。

景観という切り口で見た神戸は寧ろ遠景に優れています。山と海の間に高層ビルが林立しているからです。それらによって街に立体感があるからです。問題なのは近景です。古く小さい建物が所狭くひしめき、特に目立つ主要駅の周辺ほど醜悪な景観が広がります。神戸が景観的にどうにかしなければならないのは遠景ではなく、近景です。

うめきた二期地区は三宮クロススクエアが逆立ちしても届かない緑豊かでゆったりとした開放感溢れる先進都市へと変貌を遂げます。バスターミナルビルの事業協力者からの提案もうめきた程ではないものの、先進性溢れる神戸の新しい拠点としての機能が満載である事に期待したいと思います。



関連記事
大阪

地域探訪: 大阪・日本生命 (仮称)新淀屋橋ビル新築計画 カーテンウォールの取付が完了 外観の完成近づき、淀屋橋一のオフィスタワー誕生

2021年11月18日
こべるん ~変化していく神戸~
6月以来、5ヶ月ぶりの取材となってしまいましたが、大阪市中央区淀屋橋地区で進行中の日本生命 (仮称)新淀屋橋ビルの新築工事。遂に外観 …

POSTED COMMENT

  1. ひろち より:

    今日のこべるんさんの熱意のこもったこの意見をそのまま神戸市のお偉方に見てもらいたいですね。
    まったくその通りです。
    中途半端な街並みになってほしくはありません。
    蓮〇ではありませんが、二位では駄目なのです。一位を目指した結果の二位ならまだしも、今の神戸市は最初から二位どころか中途半端な順位を目指しているような状態に思えます。
    今回の結果がどうであれ、神戸が目覚めるように今後も署名や活動を、啓蒙を先導を切って進んでいただけると嬉しいです。

  2. 某京都府民 より:

    神戸が大阪のベッドタウンになるのは、ひとつの側面としては仕方ないと個人的に思います。単純な方法で大阪と競争するのは、現実的に考えて非常に厳しいと思います。ですから、大阪へ通勤する人の購入を想定した超高層マンションの建設も許容すべきだと思います。

    神戸港は大阪港よりも発展しているという事実は今でも変わりません。神戸はこのアドバンテージを確実にするため、神戸港が世界的な港になるように努力すべきだと思います。そうすれば、たとえベッドタウンとしての側面もあるとしても、大阪に対して卑屈になる必要はどこにもありません。

    大阪のベッドタウンにしたくないから超高層マンションを制限するというのは、つまらない意地だと思います。ひとりの京都府民の意見ではありますが、神戸の矜持というのは、本当はそういうところにあるのではないように思います。

  3. sirokuma より:

    下記は、三菱地所が進めている東京駅前常盤橋プロジェクトですが、これは丸の内・大手町を中心とした巨大プロジェクトです。
    このエリアには2027年をめどに高さ390mのビルも建設されます。こちらも大阪駅前と同じように、上部空間を大きく活用する事で足下に大規模な緑地や広場スペースを整備します。
    http://www.mec.co.jp/j/news/archives/4891.html
    東京と神戸はあらゆる規模において比較になりませんが、規模は小さくとも日本全国の大都市における駅前や都心部の多くの再開発で採用されている手法です。当たり前ですよね、駅前や都心部の土地は限られていますし現状の街を残しつつ道路や広場を新たに整備する事なんて出来ないんですから。
    ところが、神戸市は、現状を維持したままで新たな空間を作り出すために既存の道路(交通物流空間)を狭めたり、トランジットモールにする検討をしています、歩道の整備拡幅に伴い街路樹も随分なくなりましたが、例えば既存の道路を地下トンネルにして東西をつなぐなどの計画は聞こえてきません。本当にこれで良いのでしょうか?無論、現状で街中にいて六甲山や海をみることができる場所なんてほとんどありません。
    海と山を身近に感じるという事=見えるだけではありません。すぐそこに有る、少し歩けば行ける距離にあるという事でしょう。

    都市が成長しかつてのビューポイントが陳腐化したら、人々はすぐにもっときれいに見えるビューポイントを探し出して名所にしちゃいます。定点からの眺望には何ら合理性はありません。

  4. 匿名 より:

    2040年の政令市の人口予測記事でてました。神戸市は人口減少率ワーストでした。
    画期的なことしない限り神戸終わりです。

  5. sirokuma より:

    追伸
    グランフロント大阪の開業以来5年間の累計来場者数:2億6300万人だって、1日平均14万4000人…高さ規制って…市長のんきなこと言ってる場合じゃないよ。

    https://www.sankei.com/west/news/180713/wst1807130007-n2.html
    https://www.sankei.com/west/news/180713/wst1807130006-n1.html

  6. 匿名 より:

    私は神戸を諦めました。今後は京都、大阪を応援していきたいと思います。
    市の更なる衰退をもって役所への報復と致しましょう。

  7. より:

    勝手に京都や大阪応援したいならそうしてろ。

  8. tssk・H[AuCl4] より:

    この大規模再開発には期待していますし、現状でも壮観な大阪駅周辺が劇的に変貌するのは楽しみです。

    先日、JR尼崎駅周辺が関西で本当に住みたい街ランキング第1位に選ばれました。尼崎市民としては、世間では何かと悪いイメージがある尼崎市がこのような評価を受けたのは嬉しいです。もちろん、この記事にあるうめきた二期には敵うべくもありませんが、これも官民一体となったJR尼崎駅周辺の再開発の成果でしょう。

    それに比べて神戸市は……。無意味な規制ばかりして、神戸市行政に"都市開発"という概念は存在しないのでしょうね。大阪市がこれからますます西日本の中心地として発展していくのに、神戸市は対照的に地方都市に成り下がりますね。むしろ、地方都市にしては、政令指定都市で中心駅の三ノ宮駅の乗降者数が1日当たり約24万人もいるのだから、かなり立派なものじゃないですか。尼崎市は中核市で中心駅のJR尼崎駅の1日当たりの乗降者数が10万人もいないのに。
    そんな皮肉も出てしまいます。

  9. ガントリークレーン より:

    神戸港が日本一の港になることは突発事項、世界的情勢変化がないかぎりありません。政府がきめることです。かつて日本港湾強化で京浜港湾、阪神港湾、名古屋港の以上2港を強化する方針となりました。そのとき、審査で阪神港湾がトップの点数でしたが、いつのまにか、理由をつけて、京浜港湾がこの国のNO1とする、と言う風にきめました。なんでもそうですが大事なことは決定権が東京政府、省庁にあるかぎり、理由を創って、首都圏にします。公平ではないのです。2020年オリンピックも、福岡が東京より勝っていたのに、国内の開催決定する場所は東京です。判定する関係者は東京です。東京にした理由は初めからわかっている、東京より、福岡はインフラが弱いです。で東京になりました。というように、一事が万事、首都圏以外の大都市、神戸という町は発展という意味で厳しい都市です。
     グランフロント、神戸にとっては驚異ですが、東京にとっては、たいしたことはありません。超高層ビルが2,3本・・程度です。しかも200M未満です。武田本社も、大阪からいなくなることからもわかります。

  10. dokusha より:

    大阪都心の再開発は楽しみです。神戸の違ってスピード感がありますね。4.5haの緑地を作ることで、梅田の魅力が更に増すことになりそうですね。高齢化、人口減の流れの中で、都心人口の増加と郊外人口の減少の流れは避けようがないように思います。
    このまま三宮都心部の宅地開発を一方的に制限するのは、今後の神戸の発展を阻害するのではないかと危惧します。
    三宮のクロススクエアの計画ですが、空き地に街を作るより、難しいことは容易に理解出来ますが、30年というのは長過ぎます。因みに市長就任後、年数は減っていっているのでしょうか?このままいくと現職市長が退くまでずっと30年後のままなのでは無いかと不安です。

  11. ハコモノ行政 より:

    これで梅田界隈で「簡単に」大型再開発が可能な土地は無くなりましたね。
    駅前第1~第4ビル、西梅田貨物駅跡地、北ヤード(死語)、
    その下はずっと小粒になって学校跡地が幾つか・・・

    今後は既存ビルの高層化か、気の遠くなるような手間を掛けて権利調整した
    土地集約くらいしか出来ません。
    東京ならコストを掛けてでも地上げするデべが多数居ますが、
    大阪はどうなるでしょうね。
    「東京より安い」ということで少しでも手が付くか、「ややこしいのが多い」と
    敬遠されるか、神戸のように見放されるか・・・まあ気長に観察します。

  12. 旅人 より:

    2024年完成ですか・・・
    本当に大阪が羨ましいですね。
    三宮のバスターミナルビルはまだ未完成、JR三宮ビルはどうでしょうか?
    古い建物を解体して建て替える神戸と更地に建てる大阪との違いは理解するとは言え余りにもスピード感が違いすぎて泣けてきます。
    三宮再開発も30年。
    全国のどこの再開発を見ても30年というようなそんな悠長な計画を立てている再開発は見た事がありません。
    その上高さ制限などとくだらない規制をする割にどこかの中途半端な建物は規制もせずほったらかし。
    溜息が出ます・・・・

  13. しん@こべるん より:

    明石駅前はそういう意味では凄いスピードで再開発を成し遂げましたね。ダイエーの破綻がきっかけかとは思いますが、よくあの短期間で地権者の合意をとりまとめたと思います。まあさんぱるやサンシティの再開発も地権者の合意という意味では早かったかもしれません。三宮東の方が危機感が強かったのでしょうね。西はまだ人が集まるのでなかなか現状に甘んじてしまうのだと思います。

  14. しん@こべるん より:

    大阪駅前ビルは三宮同様になかなか建て替えが難しい難問ですね。ある意味、最後の一等地はここだと思います。北ヤードの後ですが、まだ阪急が阪急村の大再開発を模索しています。これに取り掛かられてしまうと、そごうの建て替えが後回しになりかねないので心配です。

  15. しん@こべるん より:

    グランフロントは詰め込み型でしたが、二期は大胆な開発手法を採りますね。三宮にも駅前にそんな土地があれば良いのですが。。。その為のクロススクエアでしたが、中途半端になりそうですし。

  16. しん@こべるん より:

    中央集権は嘆いてもどうしようもありません。地方分権も首都移転も形を変えては定期的に出て来ますが、結局は実現しません。やはり道州制にして地方にもっと権力が無いと変わらないですね。

  17. しん@こべるん より:

    JR尼崎駅周辺が関西で本当に住みたい街ランキング第1位に選ばれたのは驚きですね。でも関西最大ターミナルの梅田からだったのひと駅で郊外モールと大型マンション街がある尼崎駅前は実は最強の住環境なのではないかと思います。

  18. しん@こべるん より:

    凄いですね。グランフロント。うめきた二期が完成すれば倍増する事でしょう。山の稜線や水平線が見えれば街のブランド価値向上だなんてメルヘンでしかありません。

  19. しん@こべるん より:

    眺望点によって定められた規制の不合理さは色々な方が指摘されていますね。三菱地所には三宮にも素晴らしい事業提案を示して欲しいと思います。

  20. 九州人より より:

    大阪は、日本のニューヨークを目指した都市作りをして、神戸は、日本の香港を目指した都市作りをすることが理想的だ!

しん@こべるん へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です