姫路

姫路・キャスティ21コアゾーンの進捗状況

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姫路駅前の再開発プロジェクトで駅ビルと駅前広場整備に並ぶ主要項目がキャスティ21コアゾーンです。駅前広場の東側に広がる3.3ヘクタールを4つの街区に分け、「広域圏の中核都市にふさわしい、にぎわいとうるおいにあふれたまちづくりを実現」のために新たな高次都市機能が集積する商業・業務拠点と位置付けられています。

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4つのブロックの内、最も早く着工したのがBブロック。山陽企業が土地を購入し、商業ビルの建設を計画し、7月24日に施設名「TERASSO(テラッソ)姫路」として華々しく開業しました。

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地上8階、延床面積28,295.84平方メートルの大型商業施設です。この施設の中核且つ目玉テナントは「アースシネマズ姫路」。建物の4-7階の4フロアを占め、関西初の4DX(映画と連動して座席が動いたり、風が吹いてくる体験型装置)を導入したシネマコンプレックスです。日本最大級となる12スクリーンを備え、約2000席を有します。

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当初、公開された施設の完成予想パースとは全く異なったデザインとなりました。下層階の商業フロアには郊外モールに入っている常連テナントが名を連ねています。

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敷地内には350台分の立体駐車場を併設。駅前の都心立地でありながら店舗構成と内容はほぼ箱型の郊外モールです。

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施設の西側正面には大階段も備わります。

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南側にはペデストリアンデッキが整備されています。この空中回廊は駅ビルからA-B-C-Dブロックとキャスティのコアゾーンの施設を縦断して連結する予定です。整備工事は予定から大幅に遅れているようです。

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最も駅側のAブロックは大阪のデベロッパーであるマルイトが同社のホテルブランド「ホテルモントレ」を開業すべくこの一等地を購入しました。当初は地上21階 高さ99.9mの超高層ホテルを計画していましたが、その後、地上17階 80mに計画を縮小。その後更に地上14階 64mにまで再び規模を縮小したと報じられています。当初計画されていた婚礼施設やスパ、低層5層程度の商業施設も全て撤回もしくは縮小されます。建築コストの増大、商業施設の競争激化等を踏まえて、当初の計画時とは環境が大きく変化していることへの対応なのでしょう。姫路初の超高層ビル計画は敢えなく潰えてしまいました。それでもまだ着工はされておらず、開業予定も大幅に遅れています。宿泊施設としての縮小は残念ですが、商業施設としての縮小は賢明かと思われます。正直、TERASSOを見た瞬間に「オーバーストア」の言葉が頭をよぎりました。ピオレ、テラッソの上にさらに続いて5層もの商業施設が駅前に開業となれば、新規開業施設間でも棲み分けができなくなる恐れがあると思われます。

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専門学校等が計画されているC、Dブロックも未着工です。

姫路城というシンボルを基軸とした明確な再開発・整備方針に基づいて進められてきた駅前エリアの整備は順調に完了したキャスティ21計画。コアゾーンが完成すれば、並の県都では太刀打ちできない程の高度な都市機能と駅前景観が整うことになります。しかしそのコアゾーンについては計画遅れや規模縮小等が相次ぎ必ずしも順風満帆ではないようです。次回は既存施設との共存や今後の課題、神戸の学ぶべき点等も交えて今回の一連の姫路特集の締め括りたいと思います。



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POSTED COMMENT

  1. りんご より:

    ヤマトヤシキ、山陽百貨店はヤバイですよね(~_~;)
    イオンのモールが閉店なのも頷けるような、、、、

  2. しん@こべるん より:

    りんごさん
    ヤマトヤシキは事実上の倒産を迎えました。山陽百貨店は立地を生かして頑張っています。

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