空撮

空から神戸を見てみよう -11/4はヘリコプターの日(でした)-

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昨年に引き続き神戸市が主催する空の日のイベントの一環として神戸ヘリポートで開かれたヘリコプターの日に参加してきました。例年同様に市消防局や県警のヘリの展示、小川航空による有料遊覧飛行が行われ、5分間という短い時間ですが、空の旅を堪能(空撮を堪能?)してきました。

当日の天気は薄曇り。快晴とはいきませんでしたがまずまずの空撮日和でした。

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和田岬周辺の兵庫区南端部は神戸経済を牽引してきた重工業の街。しかし近年、日本の縮図を見ているかのようにこのエリアも工場の集約や縮小の煽りを受けて遊休地が目立ち始めました。こうした遊休地の活用にイオンモールやコーナン等の大型商業施設の進出が決定しています。将来的に和田岬線の廃線を控え、俄かに地域が大きく変貌を遂げる可能性が高まっています。都心に近接する工場の街が一部その形を残しつつも良好な商住工のバランスの取れた街へと生まれ変わるかもしれません。エリアに張り巡らされた運河の活用も期待されています。地下鉄海岸線沿線の人気も高まる可能性を秘めています。

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来春の本格再生を控え、着々と工事の進むハーバーランド。中核施設であるダイヤニッセイビルとモザイクを所有する三菱倉庫と再開発を担うイオンモールはこれらの施設に新名称を与えました。その名も「umie(ウミエ)」。各施設もHa・Re棟がumie NORTH MALL、旧神戸阪急棟がumie South MALL、モザイクがumie MOSAICと名称を変更。

イオンモールが発表したキャナルガーデンのイメージパースを見る限り、NORTH MALL、SOUTH MALL共に現在は一部、分断されている2階のデッキを完全に縦貫する形に改造。現代モール風に変更することで、歩きやすく両建物間の回遊性を高める構造にするようです。デッキ設置により店舗面積は縮小されますが、それ以上のメリットがこの改造によって生まれそうです。デッキ沿いのエントランスや店舗配置も気になるところです。

またNORTH MALLで稼働中だったソフマップは6階へ移動してコジマと1フロアで共同出店の形態へと変更。空いた5階には衣料品他、複数のテナントが入居するとのこと。3階のユニクロは一時休業し、来春の一斉開業に再オープンするようです。さて2階のコムサやABCマート、ライトオン他は同様に営業再開するのでしょうか。

ハーバーランドではこの他、煉瓦倉庫レストラン南棟にインテリアショップ、カフェとデザイン文具が入居し12/3にオープンすることが決定しました。片翼飛行だった同施設が、周囲の整備も完了してようやくフル稼働を開始します。可能であれば北棟も思い切ってテナント入れ替えを期待したいですね。

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やはり神戸が生き残りを掛けて発展を遂げていくには、オンリーワンである港の活用が欠かせません。ウォーターフロントは神戸が誇れる最大の財産です。これを使わない手はありません。早急に都心エリアと親水エリアのアクセス改善が急務です。乗るだけでテーマパークのようなLRTの導入を本格的に検討して貰いたいものです。

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中突堤、第一突堤には宿泊施設が整備されることなりました。各突堤をはじめ、エリア内の回遊性を高めるためにまずは「ハーバー~第一突堤」間でLRTを整備してはどうでしょうか。空から見るとウォーターフロントは整然と整備されていることが良く分かります。

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まさに絵になる代表的な都市ですね。景観という切り口ではほぼ完璧なプロポーションと言って良いでしょう。非常に美しいです。

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第二、第三突堤とその付け根にある倉庫群も将来的にはウォーターフロント構想において重要な役割を担うことになります。最近では旧神戸生糸検査所がデザインクリエティブセンターKOBEへと生まれ変わりました。レトロ建築を再生して創造拠点として活用するというのも神戸ならではの試みです。この広大なエリアは貴重な再開発用地です。水辺を活かした魅力的なエリアへと変貌する日を夢見たいですね。ホテルを併設したカジノの誘致やアーティストが集うデザイナーズ住宅やSOHO等、昼夜を問わずに人が集う文化発信と娯楽機能を備えた全く新しい親水都市になったら面白いと思います。

二突には縦に円筒型の高層タワー(ホテル、賃貸住宅、分譲住宅、オフィス)を四棟縦列させて、頂部には様々な用途を併せ持つ展望回廊によって建物が連結しているような新しく奇抜で全国や海外からも注目を集めるような新たなランドマークなんてどうでしょうか。これはシンガポールのマリーナ・ベイ・サンズにヒントを得たアイディアではありますが。本家は高さが200m級ですが、神戸は経済規模等や景観条例を考慮して100mでも十分なインパクトを持つと思います。

各突堤にはこうしたシンボルが並んで競い合う構図を考えたいものですね。

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浜手バイパスと阪神高速3号線の間に挟まれた西側の細長いエリアにも多くの上屋が存在します。この敷地はメリケンパークの北側パーキングから一直線上に阪神高速と平行している状態です。以前、私は阪神高速高架の撤去には浜手バイパスの活用策を考えていましたが、この細長い敷地の地下に阪神高速を通せば、旧居留地から親水エリアへのアクセス向上と視界の改善が図られる他、上屋のあるエリアも再開発が可能となるのではないでしょうか。もしかしたら市もこれを視野に入れているかもしれません。

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旧居留地エリアはセットバック方式で建物低層部の高さを揃えてスカイラインを統一しつつ、もっと高層化を進めると更に見栄えの良く効率的な都心部へと生まれ変わることができるでしょう。オフィス街は三宮駅前、旧居留地、ハーバーランドに集約して高度化し、他のエリアは商業、商住混在といったメリハリのある街へと改良を進め、神戸の街がまるごとテーマパーク化(ある意味ラスベガスのように)として機能する(現在もその趣はありますが)ことで魅力を高めて行くことができれば更に内外から人を呼べる街になるはずです。

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5分の飛行はあっという間で、神戸ヘリポートのあるポーアイへ帰還しました。前回も取り上げたポーアイは今や神戸の懐刀です。課題も多いですが、着実に進化を遂げています。

さて、次回の更新も空撮シリーズとなる予定です。よりダイナミックな都心部の様子をご紹介します。



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POSTED COMMENT

  1. sirokuma より:

    Umieへのアクセスを解りやすく整備する必要があると思います。

    現在は、JRから地下経由だと正面はホテルかハーバーサーカス内を通って2階連絡橋を通るか、少し横のエスカレーターで地上へ出て横断歩道を渡る経路、そしてプロメナ神戸内部を地下から2階まで上がり連絡通路でアクセスすることになる。⇒どのルートも時間がかかり非常にめんどくさい。この辺りの改善が必要だと思います。

    駅1階から南側ロータリーを抜け屋根つきの歩道橋経由でプロメナ2階を通るルートは、一部で露天となりますが、駅正面からロータリーを迂回せずに真っ直ぐに歩道橋へ行けるように整備し、歩道橋階段をエスカレーターに変更すると最短でumieまでアクセスできるので、既出店者との絡みもあるでしょうが是非検討して欲しいルートです。

    また、プロメナとumie北館の間の道路も店舗を配してハーバー内やメリケン方面から回遊して来る人が楽しめるような街路にすると良いんですけどねぇ。歩車道の分離が先行し過ぎで総じて地上部分が愛想なしで面白くありません。外も楽しめるようにすれば自然と煉瓦倉庫方面にも客足は向くんじゃないでしょうか。

    それから、航空写真いつも有難うございます。神戸の景観がほんとうに良く解りますね。

  2. ponta より:

    イオン発表のパースに対する見解、少し違う気がしますね。パースと現地実際の工事の様子見ると、2階の動線は何も変わらず3、4階に新たな渡り通路を作ってるだけではないでしょうか。たしか震災前には渡り通路があったように記憶してるので、
    その復旧を今になってやってるのかも… ソフマップはリニューアルしましたが、まわりが古いままで(コナミ前とか)新しさは感じないですね

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