明石

12月1日に開業したパピオス明石特集!

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過去約3年に渡って不定期でお伝えしてきた明石駅前南地区第1種市街地再開発事業が完成しました。地上6階地下2階の公共商業施設から構成される施設棟と地上34階の住宅棟から成る延床面積66,057.83平方メートルの大規模再開発ビルです。「パピオス明石」という施設名が公募によって決定され、晴れて12月1日に施設棟の商業フロアである1-3階が開業しました。

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明石駅前に誕生した新時代明石のランドマークです。人口30万都市の中心市街地である明石駅周辺は明石港や明石城に囲まれ、古くから栄えました。しかし近年は市内郊外に進出した大型商業施設にそのお株を奪われ、名ばかり都心に成り果ててしまいました。駅前は老朽化したビルが立ち並び、駅前唯一の大型商業施設であったダイエー明石駅前店も閉店。専門店ビルとして存続していましたが、ジリ貧状態でした。

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多くの地権者が集う駅前地区。神戸と姫路に挟まれた明石が今後、都市間競争に生き残っていくには移住人口を増加させる他ありません。明石市内には新快速が停車するJR明石、西明石の2駅が存在し、西明石に至っては新幹線も停車します。神戸や大阪の通勤圏としての需要が底堅い明石にとって、この2駅周辺を活性化させる事は非常に有効です。多くの地権者の意向をまとめ上げた再開発事業がスタートしました。

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今回の再開発事業は明石駅前に活力を吹き込むのに大きな役割を果たしそうです。この再開発が進行するに連れ、周辺地区のリニューアルも同時に進められました。JR西日本の子会社である神戸SC開発は明石駅高架下のステーションデパートを大規模改装し、ピオレ明石として、再開発ビルの完成前に開業させました。物販からグルメまで明石やエリア初進出の高感度テナントを集め、人気を博しています。

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ピオレの開業に伴い明石駅周辺には賑わいが生まれましたが、パピオス明石のオープンは更なる活性感を増幅させていました。

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国道2号線側のパピオス明石の様子です。2階に連絡デッキが整備されました。

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施設棟と住宅棟の連結中央部に施設のシンボルとなる大階段とエスカレーターが設けられました。

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階段とエスカレーターは2階のエントランス部へと通じており、ここを上がると右手に3層吹き抜けの市民広場があります。

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1階に備え付けられたインフォメーションボードです。1-3階の商業フロアのレイアウトとテナント紹介が表示されています。テナント構成は6-7割が飲食店、3-2割がサービス、1割が物販といった感じです。地権者の飲食店が多いこともありますが、主だった物販店は駅ビルに出店しています。しかし物販テナントは継続性が難しく、飲食店で固めるのは施設の方向性としては正解かもしれません。

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4-6階は明石市の公共施設となりますが、まだこれらのフロアは未開業です。来年1月27日にオープン予定です。子育て世代の支援に力を入れている明石市らしく、駅前に子育て関連施設を充実させて若い世代の人口増を図ろうとしています。

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以前も駅前広場と2号線を貫くように「あけぼの商店街」が存在していましたが、新たに「ときめき横丁」が施設1階に誕生しました。

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仮設店舗に移転していた飲食店がまた同じ場所に戻ってきたようです。

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以前と同様に駅前広場から国道へ通り抜けができます。

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こちらが2号線側の入り口付近の様子です。

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1階フロアには施設内へと連絡するエントランスが複数存在するようでしたが、エレベーターホールのあるこのエリアがメインとなるようです。

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エレベーターホールを抜けると、エスカレーターホールに出ます。施設内は新しく非常に綺麗なのですが、この建物が商業施設なのか公共施設なのか業務施設なのかよく分からない妙な違和感というか閉塞感を覚えたのは気のせいでしょうか。内部は壁が多い気がします。新長田の再開発ビルを思い起こさせました。

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そんな懸念は三層吹き抜けの市民広場を見たら吹き飛びました。駅に面した北面を全面ガラスとした開放感溢れる室内空間が広がっています。

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取材日もイベントが開催され、多くの市民で賑わっていました。天候や気温に左右されない開放的な大室内空間は魅力的です。

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3階から市民広場を見下ろします。

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3階の吹き抜けに面したホールの様子です。

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ガラス越しに市民広場の様子を眺める事が出来ます。

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美しい空間ですが、3階は非常に静かでした。奥にはクリニックが集まる区間や学習塾が開校しています。

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ダイエーに出店していたマクドナルドもパピオスに戻ってきました。市民広場に面した一等地の出店です。

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来年1月には2階に商業フロア最大の中核テナントとなるジュンク堂とナガサワ文具か開業します。ここがオープンするとまた集客性は体感的に大きく変わってくるかと思います。

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施設棟7階には屋上広場があります。ウッドデッキも設けられ、イベントも開催できる空間です。眺望は明石城方面に開けていますが、厳ついフレームが割と細かく入っているので、景色を楽しむといった感じはあまりありません。海側にも視界が開けていたら明石港や明石大橋が望める空間にもなっていただけに、少し残念な感じです。

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発売開始と共に即日完売した超人気タワーマンションのプラウドタワー明石。地上34階、高さ120mのタワーは明石市内最高層を誇るランドマークです。上層階からは明石市街や明石海峡、淡路島等の絶景が広がっている事でしょう。

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1月末には4-6階の公共施設フロアが開業します。4階には市民図書館がオープンしますので、多くの人々が集う事でしょう。駅前に商業と公共施設を組み合わせた再開発ビルにタワーマンションを併設する手法自体には特に目新しさはありません。

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しかし多くの市民が訪れることが出来る仕掛けを工夫し、特に子育てファミリーに主眼を置いた施設構成や背伸びをしない商業フロアのテナント構成は行政主体の再開発ビルである堅実さを感じられます。フロア内の回遊性やレイアウト構成の評価は少し疑問も残る感もありますが、その評価は施設の全面開業後に現れてくる事でしょう。これだけの大規模再開発ビルが規模の割には短期間に完成したのは地権者の合意形成がスムーズに進んだ事が非常に大きいのではないかと思います。この新ランドマークの誕生により、駅周辺部の更なる再開発や建て替え効果が波及して行けば、明石はまだまだ発展する可能性に余地を残しています。パパオスの全面開業後にまた再訪したいと思います。



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POSTED COMMENT

  1. mahon より:

    ハピオスのサイトを見ていたらジュンク堂は明石市図書館と連携したサービスを行うようで…ぜひ三宮の地においてもコラボが実現すればと思った次第です(ぜひジュンク堂三宮駅前店と中央図書館が連携したものが新バスターミナルの核テナントとなるような?

  2. kenkenbooboo より:

    JR明石駅はこの建て替えで兵庫県一のターミナルに成長したような感じですね。JR三ノ宮駅ビルに関しては年明けから4月までにJRから何か発表があるような気がします。ついでにポートライナー三宮駅はバスタ上空に移設して、JR三ノ宮駅を本格的なホール機能を持つターミナル駅に改造してほしいです。

    件の屋上図書館は三宮構想のパースを見ると、三ノ宮駅東口の北東場ぐらいから南の夜景をバックにしたイメージパースがあったので、自分としては二宮市場の位置に複合タワーマンションが出来てその中に入ると予想したんですがね。

  3. より:

    明石、姫路、西宮あたりはすごいですねぇ。
    神戸もこれからですけど負けてられないですね。
    加古川駅もがんばってほしいー

  4. 夢想家 より:

    取材お疲れさまでした。
    写真を拝見するだけでは判断はできませんが、内装がどこかのショッピングセンターのような少々質素さが漂います。まあ良く言えばカジュアルでしょうか。地元客中心ですから仕方ありませんが。
    新しい三宮駅ビルは、便利さ、機能性だけではなく、もっと重厚感、ゴージャス感を出して「さすが神戸!」と遠方からのお客様を唸らせるようなものを期待したいですね。

  5. 夢想家 より:

    取材お疲れさまでした。
    写真を拝見するだけでは判断はできませんが、内装がどこかのショッピングセンターのような質素さを感じます。まあ良く言えばカジュアルでしょうか。地元客中心ですから仕方ありませんね。
    新しい三宮駅ビルは、便利さ、機能性だけではなく、もっと重厚感、ゴージャス感を出して「さすが神戸!」と遠方から来たお客様を唸らせるようなものを期待したいですね。

  6. かみなりおやじ より:

    「oasis」又は「oases」を「オス」の意味に込めたのは、笑えました。「パピオス」が、立派なだけに、ある意味、やや、こじつけの感がいたします。

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